幻想としての経済


雲にのりたい
やわらかな雲に
希(のぞ)みが風のように消えたから


黛ジュンが歌っていた、
「雲にのりたい」
を、テレビのリーマン破綻のニュースを見ながら思い出していた。


米国大手証券会社、リーマン・ブラザーズが破産法を申請した。
サブプライムローンを発端とする、
世界同時金融不安の拡がる中、
弁舌爽やかなエコノミストがテレビに登場し論評している。
テレビ受けするエコノミストも良いが、
学究肌の学者の意見も傾聴したい・・・・
または、マルクスの哲学に造詣がある知識人。
一昔前なら吉本隆明
あるいは、柄谷行人
小説家の庄司薫も、経済に強いらしいから面白い意見が聴けそう。


漠然と私が思うのは、経済が幻想のようになってしまっていることだ。
実体経済とバーチャル(仮想)な経済との乖離。
いや、軋みといっても過言ではない。


マネーゲームのマスカレード(仮面舞踏会)
が日夜催されるウォール街、そして六本木ヒルズ
経済は仮面なのか・・・



身の丈を知る、
とは、日本人の戒めであるが、
身の程知らずの経済がまかり通る世の中。


一分一秒の株価、為替で膨大な金が動く世界。
ブルーカラーの失業が当たり前だったアメリカ、
しかし、今最も深刻な失業問題は、
ウォール街のエリート達だ。
プロレタリアではなく、
ブルジョワ?の深刻な失業。

ただし、日本にとっては、
円高で、原材料の輸入に有利なことや、
外国製品が安く購入できること。
原油の値段も下がっていることから、
必ずしもマイナスばかりではない。
内需拡大のチャンスでもある。