品格とは・・・・


横綱朝青龍が優勝決定戦で、白鵬に勝利し、
土俵上で両手を挙げて優勝の喜びを表現したことに、
一部の横綱審議委員より苦言があった。
このようなガッツポーズは、横綱として品位に欠けるとのことからだ。


相撲好きの明治生まれの祖母は、よく大鵬を誉めていた。
懸賞金を頂く際、サッと取ってしまう力士のある中、
礼儀を持って綺麗に受け取っていることを。
子供心になんと綺麗に懸賞金を頂くんだろうと、私も感心したものだ。
どこか、茶道のお手前を見ているようだった・・・・・


また勝っても大鵬は、相手力士に手を差し伸べる優しさがあった。
勝つことを誇るより、相手力士を思いやる横綱としての風格があった。
そんな横綱大鵬の姿から、子供の私も、何か教えられるものがあった。
譬えれば、謙虚な態度から醸し出される、抑制された美しさとでも言おうか・・・


朝青龍は強い。
今回の復活も並大抵のことではなかっただろう。
また、時代とともに相撲も変わってゆくのかもしれない。
ただ、礼に始まり礼に終わる相撲の伝統は、
日本の文化でもある。
国技であることを相撲は忘れてはならない。