フランス名詩集選


詩集とは心象の刺繍を編む如く、
言葉を紡ぎ、デザインすることなのかもしれない。
時に詩を書きながら、私達は知らず知らずに、
無意識の隠れていた氷山が浮かび上がることがある。
無意識が詩を創作することで意識化される。


今日は、夕方から「フランス名詩集選」安藤元雄・入江康夫・渋沢孝輔
岩波文庫を拾い読みしていた。


ポール・フォールの「世界をとりまく輪舞」が良いなと、思った。


    世界の中の女の子が手をつなごうとすれば、

    海をぐるりととりまいて輪舞を踊ることもできように。


から始まる、
メルヘンを感じる詩。
勿論、ボードレールランボーヴェルレーヌ・グールモン、
マラルメ・ジャム・アポリネール・エリュアール等、
素敵な詩人が綺羅星の如く取り上げられているが・・・・・


特に、ギョーム・アポリネールの「ミラボー橋」
を読んでいると、夕暮れ時がなんて似合う詩なんだろうと、
あらためて思った。
この詞を、金子由香利のシャンソンで夕暮れに聴いていたからか・・・・・


     ミラボー橋の下 セーヌが流れ
         二人の恋が
     なぜこうも思い出されるのか
     喜びはいつも苦労のあとに来たものだ


     夜よ来い 時鐘(とき)よ打て
     日々は去り行き私は残る


御茶ノ水の聖橋と、
ニコライ堂を、この詩を読むと想起してしまう。