北ウイングの思い出


    『彼のもとへ一人旅立つ』


康珍化作詞・林哲司作曲「北ウイング」より


初めて海外に出かけたのは、
旅行ではなく、仕事だった。
東南アジアのボルネオ島にあるブルネイという、
日本の三重県と同じくらいの小さな国。


到着は夜だった。
飛行機が着陸態勢にはいる。
眼下に、ブルネイの街の灯りが見える。
期待と不安で胸が一杯にある。
「ああ・・・海と国境を越えてやって来たんだな」
そんな思いが胸を過ぎったとき、
この中森明菜の「北ウイング」が甦った。