蕗の薹(自句自解)


      初恋のほろ苦きかな蕗の薹


春野菜の蕗の薹(ふきのとう)を食べたとき、
ほろ苦い味覚に、どこか懐かしさを感じた。
春告げの味は、スイートでなくビターだった。
初恋は、カルピスのように甘酸っぱい味ばかりではない。
なかなか適わないのが初恋。
甘美な初恋の思い出の方もいるだろうが、
ほろ苦い思い出の方もいらっしゃるだろう・・・・
ほろ苦い思い出だからこそ、
記憶の中で、いつまでも生きつづけるのかも知れない。
そんな思いを込めて俳句にしてみました。