官僚たちの夏


官僚は悪なのか?
最近、そんな疑問が広がることがある。
天下りや縦割り行政など、
確かに弊害も多々ある。
だからといって霞ヶ関の官僚を悪の権化に仕立て、
何もかも済ますことにも問題がある。
スケープゴートを兎角マスコミは作りたがる。
官僚がすべて悪かのような表現は、
やはり適切ではないし、判断の公正さを欠くのではないか?


こうした世の中の「官僚は悪だ」の大合唱の中、
官僚とは何なのかを知る上でも、
この「官僚たちの夏」は必見の番組かもしれない。


昭和30年の日本は、
まだ戦争の後遺症が残りつつも、
高度経済成長の始動の中にあった。
国内産業の育成に努める通産官僚のグループ。
その中心人物が風越信吾(佐藤浩市)自動車課長であった。
心血を注いで完成させた日本車を、
「おもちゃ」と言い放つアメリカのディーラー。
アメリカに日本車を走らせることに、
闘志を燃やす通産官僚。


天下国家を論じる若手の官僚に、
ある種、爽やかなエリート意識を感じる。
そして机上だけでない現場主義を・・・・・


佐藤浩市堺雅人高橋克実が国産重視派の通産官僚を、
船越英一郎高橋克典が国際派を演じている。


佐藤浩市は「サムライ官僚」のようだ。