霧の旗


復讐する女。
破滅する男。
しかしラストでふと女は男を許し、
もしかしたら愛してしまったのでは・・・・
そんな思いも抱いてしまった。
一夜を憎い男と共にしたり、
最後は証拠のライターを届けたり、
女の心は霧の彼方にあるようだった。


兄が強盗殺人の無実の罪を着せられていると、
桐子(相武紗季)は、敏腕弁護士欽也(市川海老蔵)に弁護を懇願する。
しかし、そんな桐子の願いを冷たく欽也は断る。
エリート弁護士の強さと弱さを海老蔵がよく表現している。
とくに表情の豊かな演技が光る。
無実の罪のまま獄中で兄を亡くした桐子は、
欽也への復讐を誓う。


モーニング娘中沢裕子が、欽也の妻の役で出演していた。
はじめ中沢裕子だとは分からなかった。
愛人の径子(戸田菜穂)と欽也の抱擁のシーンがあったが、
どこかぎこちなかった・・・・
伊達男の海老蔵も新婚ゆえに、
ちょっと気がひけたのか・・・・


嘗てこの松本清張原作の「霧の旗」は、
三國連太郎が欽也を桐子を山口百恵が演じていた。
倍賞千恵子も桐子を演じていた。
霧の旗とは桐子の心の旗でもあったのではないか?