白バラの王女
何年か前に、「ベルサイユのばら」を全巻読んだ。
あらためて秀作であることを認識するとともに、
歴史のロマネスクを満喫できた。
オスカル・アンドレ・フェルゼン・マリー・アントワネット。
これらの登場人物が、フランス革命の激動の中、
愛と戦いの人間模様を織り上げてゆく。
「源氏物語絵巻」ではないが、
池田理代子は、華麗な歴史絵巻を編んでいる。
中学時代、宝塚歌劇団の「ベルサイユのばら」がブームになった。
反発を感じながらも、妙に惹かれるところがあった。
特に長谷川一夫演出に、中学生ながら興味を持っていた。
「何故?日本舞踊の長谷川一夫なんだろう」と・・・・
しかし長谷川一夫なしに、
「ベルサイユのばら」の成功はなかったのではないか・・・
少なくともあの所作の素晴らしさは・・・・
「ベルばら」で特に印象深いのは、
煌びやかなアントワネットの高貴な美もさることながら、
囚われの身となった牢獄のアントワネットの白髪の美しさだ。
素になった王女マリー・アントワネットと貴公子フェルゼンとの牢獄での再会、
それは衝撃的でありながら、純白の薔薇のようだった。