送別会


業界の懇意にしている支店長が定年退職することとなり、
送別会を開いた。
支店長さんは、茨城県出身で朴訥としているが、
気配りの人だった。
34年間、現在の会社を勤め上げ、取締役にも就任されていた。


少し酔いが回ったのか饒舌になり、
「若いころには火遊びもしましたよ」
と、女性関係の話もされていた。
「独身の頃の話なら火遊びとは言わないんじゃないの」
と、仲間の営業部長が突っ込みを入れていた。


「これからは、体が動くうちにソフトボールや歴史散策をします」
との支店長さんの弁。
支店長さんは、
頭を深々と下げて、
「私のような者に送別会を開いていただきありがとうございます」
と謙遜され、仲間に最後の挨拶をされていた。