ちいさな運命


日清の「ちびっこのど自慢」という歌番組があった。
歌の上手な子どもたちが毎回出場し、
優勝を競う番組だった。
審査員のカバゴン(阿部進)が強烈な印象がある。
大村昆が司会を務めていた。
この番組は、後に芸能界で活躍するスターも輩出している。
例えばその中には野口五郎などもいる。


さて、堀江美都子しまざき由理嶋崎由理)も、
奇(く)しくもこの「ちびっこのど自慢」に出場していた。
堀江美都子は知る人ぞ知るアニソンの女王。
しまざき由里は、「Gメン75」の主題歌「面影」を
大ヒットさせた歌手。
ところで、しまざき由理はもともとアニソン歌手だった。
初期の頃アニメ「紅三四郎」のB面「夕陽の男」を歌っている。
そしてA面の主題歌「紅三四郎」は堀江美都子が歌っている。
当時堀江美都子は12歳の少女歌手だった。
しまざき由理もほぼ堀江美都子と同世代だったのではないか・・・


また、「ハクション大魔王の歌」をしまざき由理が歌い、
「アクビ娘」を堀江美都子が歌っている。
みなしごハッチ」を歌ったしまざき由理と、
「けろっこデメタン」の堀江美都子
A面とB面を代わる代わる歌うふたり。


堀江美都子はアニソンだけでなく、
20代に歌謡曲も歌っているが、ヒット曲と呼べるものはなかった。
やはり彼女の代表曲は「キャンディ・キャンディ」だろう。
一方しまざきには「面影」という歌謡曲の代表曲がある。
「ルルルル〜ルルルル〜」
と、哀愁を帯びたスキャット
みなしごハッチ」の切なげな歌声。


私の中では、アニソンの少女歌手からスタートした、
堀江美都子しまざき由理の二人に、
どこか小さな運命を感じる。
この二人は交わる事はあまりなかったけど、
どこかで意識した時期があったのではないだろうか・・・