一枚のハガキ


一枚のハガキが届いた。
武骨な字だけど、
どこか温かな人柄がにじみ出てている。


「一従業員として再就職しました」
との文面だった。
私は彼を所長として不適切と判断して、
去年の夏、泣いて馬謖(ばしょく)を斬った。
彼は田舎の福岡に帰り、一からやり直すことを決めた。


彼の再就職の朗報が届き、
本当に良かった。
胸の痞えが取れたように感じた。
嬉しくて何度も何度もハガキを読み返した。