カミソリ後藤田


細川ガラシャ夫人」下巻三浦綾子著と、
後藤田正晴と十二人の総理たち」佐々淳行著を読んでいる。


後藤田正晴は、その鋭い頭と舌鋒で、
カミソリ後藤田と恐れられていた。
後藤田は戦前の内務官僚から警察庁長官になり、
さらに田中角栄の肝いりで政治家となった。
中曽根内閣では官房長官を務め、
宮沢内閣では副総理になっている。
私は官房長官時代の威風堂々とした姿が印象深い。
ここ10年の官房長官とくらべると、
かなり重みのある官房長官だった。


そんな強面の後藤田だが、ビートたけしがフライデーを襲ったとき、
「ビート君の気持ちはよくわかるが暴力はいけない」
と同情のコメントを述べている。


後藤田は戦争体験から、護憲の姿勢を貫いていた。
中曽根康弘総理が改憲の急先鋒であるのに、
女房役の官房長官護憲派ということで、
米国を主導とした多国籍軍湾岸戦争でも、
総理と官房長官でかなり議論があったようだ。


それにしても、あんな気骨のあるじいさんがいたらな、
そんな気持ちになる・・・・・