気が回る


先日、3人で寿司屋で会合したときのこと。
里芋の煮物を注文したところ、
5つの里芋が皿にのっていた。
70代の社長さんが笑顔で、
「5つじゃ取り合いになって殺し合いになっちゃうよ」
と冗談をまじえながら、3人のお客なら6個だしなさいと、
やんわりアドバイスをしていたのだが、
「殺し合いはしないでください」
と真面目な顔で若い仲居さんは話していた。


婉曲的な表現より、
ずばり「5個でなく6個出しなさい。
なぜなら3人で食べるのだから、一人だけ一つ食べることになるよね
基本的に一人のお客さん以外は、料理を出すのは偶数だよ」
みたいに言えばいいんだろうけど、
あんまりしゃくし定規だと座が白けてしまう。


マニュアル通りの飲食店が増えている中、
気を回すもてなしも大切なのではないか。