財形貯蓄


財形(勤労者財産形成制度)を始めたのは入社してすぐだった。
当時の総務部長に勧められたのがきっかけ。
確か、会社が元金に月々200円上乗せしてくれたような気がする。
何よりも良かったのは、給料天引きなので自然に貯蓄ができたことだ。
取りあえず月1万円から始めた。
そして毎年、1万円ずつ増やしていった。
この財形貯蓄で、貯金の習慣がついたような気がする。


ある日、先輩社員が、
「いくらぐらい溜まったの」
と私の財形に興味を示していた。
何気なく財形の残高を見せると、
「100万も溜まったの!」
と驚いていた。
「俺、飲み屋とパチンコでみんな給料使っちゃうんだよな」
「俺も財形してみようかな」
先輩は自宅通勤の30代の独身貴族だった。
貯金をしようと思えばできる境遇にいた。
それから毎月3万の財形を先輩は始めた。
しばらく年月が経ったある日、
「いや〜財形やってよかったよ、100万溜まったよ」
「給料天引きっていいよな・・・」
と先輩に感謝された。
その後私は転職したので、
先輩が財形を結婚資金にしたのか、
持ち家の資金にしたのかはわからない。


財形には、一般・住宅・年金の三種類がある。
特定の財形は、一定枠の利子が非課税であり、
貯蓄の最大10倍の融資可能な優れものの貯蓄なのだ。
何よりも種銭を作るのに最も有効な貯金の方法だ。
(ただし、勤労者財産形成制度のない会社は申し込みが出来ないが)


日本人は貯蓄を堅実にする国民性がある。
天災が多い国だけに準備を怠らない。
今回の大震災の時のような不測の事態にこそ、
霞が関埋蔵金は使うべきだったろう。