泊ってく


中学生のころだったろうか、
従兄(いとこ)の子供が家に遊びにきた。
子供は姉と弟。
当時おねえちゃんは小学1年生で、弟が幼稚園だったと思う。


しばらく仮面ライダーごっこをしたり、
公園で遊んだりしていた。
父だったか母だったかは忘れたが、
「今日は家(うち)に泊っていくか」
と冗談半分に言うと、
幼稚園の弟は少し泣きべそをかいて、
「帰る帰る」
とぐずり始めた。
ところが小学1年のおねえちゃんは、
「泊ってく!」
と元気に答えた。
両親も私もビックリしたのを覚えている。
私の家は男兄弟なのだが、
おねえちゃんの方は気に入ったようだった。


実はこのおねえちゃん、
3歳の頃にも我が家に遊びに来て、
「抱っこして」
と言われて、
私が揺り籠みたいに揺らしていたら、
いつのまにか寝てしまったことがあった。
妹がいない私は子供心に可愛いなと思ったのを記憶している。


我が家に泊ったこととあまり関係はないのだろうが、
ちょうどその頃彼女の両親が離婚し、
母親と離ればなれになった時だった。