犬の消えた日


「飼い犬を供出せよ」


軍用犬や寒さから兵隊を守るための毛皮として、
飼い犬が供出されてゆく。
家族同様の犬たちが・・・・・


子供の頃、野良犬を近所の子供達で飼っていたことがあった。
白い犬で「シロ」と名づけていた。
「保健所のおじさんに連れて行かれる」
「連れて行かれると殺されてしまう」
そんなこんなで、みんなで原っぱに犬小屋を作って、
飼っていたけど、
ある日、車に轢かれて亡くなってしまった。
この「犬の消えた日」は、
最後はハッピーエンドで犬は消えなかったけど、
僕たちの「シロ」は本当に消えてしまった。
結局、保健所のおじさんが死んだシロを引き取りに来た。
そんな子供の頃の思い出が、
犬の消えた日」を見ていたら甦っていた。


西島秀俊檀れいの演技が光っていた。
「あなたが死んだら私も生きていけません」
毅然と話す静子(檀れい
戦争の時代は否定されるべきかもしれないが、
戦前の凛とした日本婦人に、
麗しい大和撫子を見る思いがした。