糸とラテックスによるコラボレーション


池内晶子×鵜飼美紀のコラボの作品を鑑賞(体感)
展示場は世田谷区の等々力(とどろき)にある
『 gallery21yo−j 』
閑静な住宅地の一角にある。


糸を池内氏、ラテックスを鵜飼氏が担当している。
コラボの芸術作品ということで、
お二人の阿吽の呼吸がなければ、
この共同制作は成り立たなかったのではないか。
どこかでお互いの心象に対する「浸透力」といったものがないと・・・
異なる二つの芸術の精神が浸透することで、
統一的な作品としての形態が創作できるのではないか?


鵜飼氏の茶系のラテックスのうねりにパトスを見る思いがした。
一見、穏やかなご夫人の印象のある鵜飼先生だが、
内奥にある熾火のようなものを作品から感じた。


池内氏の青い絹糸にはどこか温かな印象があった。
青い絹糸と私の心の糸が微かに共振したように思えた。
糸を結ぶ想像を超える緻密にして根気のいる作業。
インスピレーションの創作のようで、職人の仕事のようでもある。
当為と偶然
インスタレーションの刹那ゆえの存在感
鑑賞と体感のアラベスク
テーゼとアンチテーゼを結ぶジンテーゼ
何か大きな気のようなものに委ねながらも、
凛とした精神に裏打ちされた作品。
彼女の東京都現代美術館で拝見した作品も素晴しかった・・・


鵜飼美紀先生の懇切丁寧な説明をお聞きすることができたことは、
本日の実り多き収穫であり望外の幸せだった。
たまたま帰りがけの道すがら、
池内晶子先生にもお逢いできたのも幸運だった。
以前、この等々力の近く自由が丘に住んでたことがあり、
懐かしかった。
九品仏でも散策しようかと心が動いたのだが、
雨が降り出したので見送ることにした。