美の孤独


「自然の美は精神に属する美の照り返しにすぎない」


ヘーゲルの美に対する考察。
「美の照り返し」
精神の鏡に照り返された自然。
精神なくば美もまたなし。
自然を美しいと感じるのは、人間に精神があるからだろう。
他の動物は事物を感知はしているだろうが、
例えば紅葉を「美」と感じるだろうか?


ヘーゲルの美学は芸術に限定し、自然に対する優位性を主張する。
それはヘーゲルのこんな言葉。


「芸術の美は自然よりもすぐれている」


そしてマルクスのロジック。


「人間は自己実現の過程で疎外される」

  カール・マルクス


私達人間は自然の子宮の中の胎児の状態ではなく、
自然という子宮から飛び出し、
産声を上げ、精神を形成した。
独立した精神を獲得した人間は美を見出し、
ゆえに孤独を知り、疎外されるのだ。