安城家の舞踏会


吉村公三郎監督の「安城家の舞踏会」を見る。
安城家のお屋敷が白金の東京都庭園美術館のようだなと思った。


安城家は42万石の大名の伯爵家。
原節子の容姿のみならず、良家の子女の言葉使いが美しい。
滝沢修の重厚な演技。
森雅之が屈折した華族の若者を見事に演じている。
滅びゆく者の哀しさ美しさ。
日本国憲法(新憲法)が施行され、華族制度が廃止された、
1947年(昭和22年)に公開された映画。


名門華族の最後の舞踏会に、
様々な人間模様を織り成しながら物語は進む。
娘の前でピストルで自殺をしようとする当主。
身を挺してピストルを跳ね除ける娘。
結果、父は自殺未遂に終わり、
父と娘ふたりだけのワルツを踊る舞踏会となる。
夜明けの海を眺める父と娘に、
新時代の希望の光を感じる。