生誕100年 ジャクソン・ポロック展


東京国立近代美術館で、
「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」を鑑賞。
ちなみに評価額200億円の「インディアンレッドの地の壁画」など、
70点が展示されている。


ジャクソン・ポロックの作品はパッションが飛び散り、
彼のシナプスと筆が一体化し、絵の具が舞踊する。
絵の具は彼の血潮なのかもしれない・・・
それが彼の作品からのファーストインプレッション。


彼はアメリカ・インディアンの美術の造形質に感銘を受け、
その作品にも影響を与えている。
それゆえ原初的なエネルギーを、
ポロックの作品に感じるのだ。
そして何故か衛藤信之氏のことが頭に浮かんでいた。


彼の作品の黒白(こくびゃく)には濃淡がない。
ドロッピングやボアリングの技法に光と影を感じない。
これは水墨画や書道に親しんだ東洋の者からは、
新鮮でありながら、
どこか落ち着かない気持ちにもなる。
ただ、ギリギリのところで受容できるのは、
ある意味で無邪気さがあるからだろう・・・
そんな感想を彼の作品を鑑賞しながら考えていた。

今回の展示会では、
ジャクソン・ポロックのアトリエが再現されていた。
ブラックとホワイトの絵の具が、
圧倒的に占有しつつフローリングにこびりついていた。
長年の制作の中でドロッピングされたフローリングそのものが、
一つの独立した作品になっているように思えた。