薄桜記〜千春の夢


薄桜記」での一場面。
母の命日の墓参で再会する丹下典膳(山本耕史)と長尾千春(柴本幸
千春は離縁した典膳への思いが溢れ、
「尼になります」
と言い出す。
「そちが嫁に行けばわしも安心だ、
 親に心配かけるでない、
 親孝行せい」
と典膳は千春を嗜める。
千春を突き放す典膳ではあったが、
二人の心は深いところで結ばれている。
寺の階段に差し掛かり、
手を差し伸べる典膳。
手をそっとつなぐ千春。


「千春の夢に出てくるのは御止め下さいませ」
と千春。
「おまえもな、わしの夢に出るのはやめてくれぬか」
と典膳。
別れ別れになりながらも思いはひとつなのだと知った千春。
感極まった彼女の瞳から涙が溢れる。
千春の涙は花吹雪となる。