雪の墓


山本耕史主演の「薄桜記」の「雪の墓」を見て、


  夜半(よは)の雪
      番いの文鳥
        解き放つ


   寄り添いし
    千春に雪の
      降り積もる


夜もふけて、
江戸の町は雪景色となっていた。
そんな夜半、番いの文鳥
籠から解き放つ典膳(山本耕史)。
千春(柴本幸)は籠の文鳥が放たれたことを知り、
胸騒ぎを覚える。
典膳のもとに籠を走らせる千春。
それは初めて典膳と出合った七面社だった。
丹下典膳はすでに堀部安兵衛(高橋和也)に切られ、
事切れていた。
典膳に添い寝する千春に雪が深々と降り積もる。
「あなたが死ねば千春も死にます」
その言葉の通り、
千春も典膳のもとに旅だった。