余計なことだが・・・


「ブランクがあったからかしら・・・」
久しぶりにお邪魔したクラブのママさんがふと漏らした言葉。
確かにお店の客は少なくなっていた。
わたしも6年ほどお世話になっているお店だ。


ママさんはオーナーママだったが、
去年まで、ママさんの娘さんが後を継いで2代目のママをしていた。
吉瀬美智子似のスレンダーな綺麗なお嬢さんだ。
その間、確かに6年間のブランクが先代のママさんにはあった。
娘さんは昨年から体調不良ということでお店を長期で休んでいる。
そしてお母さんがママに復帰することになった。


実はお店を休職中にはなっているが、
すでに娘さんは結婚もされ、新しい仕事もしている。
しかし、娘さんが結婚されていることは、
お客さんには公にされていない。
客が離れてしまうのではと、
娘さんが結婚していることを言わないようにと、
お母さんに話されているとのことだった。


いまだに体調が回復して娘さんが戻ってくるのではとの期待から、
お店に通うお客さんもいらっしゃるそうだ。
そうした状況を知るにつけ、
何だか割り切れない気持もあって、
最近お店から足が遠のいていたのも確かだ。


ママさんから、
「320人集まったんですよ」
と娘さんの華やかなパーティの写真を見せていただいた。
輝くばかりの笑顔だったが、
どこか遠い存在のような気がした。


はたして先代のママさんの「ブランク」だけで、
お客が離れたのだろうか・・・
そんな疑問もある。
いつまでも霧の中の魔法は続かない。
バトンを戻したことを母と娘でお話すれば、
離れてゆくお客さんもいるだろうが、
応援するお客さんもいるのではないか。
何よりも晴れ晴れとした気持で仕事ができるのではないか。
水商売だからこそ信頼関係が、
お店とお客の長いお付き合いになるように思うのだ。
まあ、余計なことかもしれないが・・・