真白な日

自作の冬の俳句を自句自解をしてみました。


   大寒
    刺し縫い針の
       糸白し

   牡丹雪
    本郷菊坂
      一葉井戸


   風花の
    髪の芯まで
      華やぎぬ


季語は大寒で冬。
大寒二十四節気のひとつ。
1月20日頃で一年で最も寒い時期。
刺し縫い針は、厚着の繕い物などで使う長い針。
ひときは針の白い糸が、
大寒のピンと張りつめた寒さを伝える。


季語は牡丹雪で冬。
樋口一葉のドラマを見た。
本郷菊坂に一葉の住んでいた住居の井戸が残っている。
一葉の井戸だ。
牡丹雪舞う中、
恋するひとに逢いに行く一葉の姿を俳句にした。
樋口一葉は二十四歳で夭折した小説家だった。
ドラマを見終わって、
五輪真弓の「一葉舟」をわたしは聴きたくなっていた。


季語は風花で冬。
晴れている青空から雪が舞うことがある。
それを風花と呼ぶ。
抜けるような青空を花びらのように流れる風花。
その風花を受けながら歩む女性。
髪の芯まで華やぐ思慕の念・・・