木蓮の涙


父の位牌を受け取りに向う車中から、
木蓮が咲き初めている風景が目に映った。
春の陽を浴びた木蓮の花が、
白い掌を広げ揺れていた。
そんな木蓮を見ているうちに、
木蓮の涙」が幻のように流れだした。
それは「スターダスト・レビュー」ではなく、
ある女性の歌う「木蓮の涙」の絶唱だった。



    逢いたくて 逢いたくて
    この胸のささやきが
    あなたを探している
    あなたを呼んでいる
    いつまでも いつまでも


      「木蓮の涙」 山田ひろし作詞 柿沼清史作曲