冷たそうで・・・


私と営業所長、取引先の社長と三人で、
ランチをご一緒しながら歓談をしていたときのこと。
社長が同席していた所長に、「常務は冷たそうだけど、人情家なんですよ」
「私もそうだが冷たいところと、人情がないと経営者は務まらない」
そんなことを話されていた。
この冷たそうだけど人情家、あるいは義理堅い。
そんなお言葉を同業者の方や取引先の方から受けることが多い。
ある同業者のベテラン営業部長からは、
「常務さんは不敵な笑いを浮かべるね」
と言われたことがあった。
自分自身のことは意外に自分で解らないものだ。
色々な方のお話を注意深く聞くことで、
人様の鏡に映った自分を知ることができる。


社長のお話で興味深かったのは会社の後継者問題について。
「私も65歳で普通なら定年ですよ」
と社長が話されたので、
「社長に定年はないでしょうから、後継者を決めることが大事ですよね」
「先日ロータリーの仲間で、後継者がいなくてお店を閉めた友人がいるんです」
「社長のところは後継者はお決めになってますか」
とお話しすると、
「ウ〜ン」
と唸って、
「実は後継者を決めることは経営者にとって一番難しい問題なんですよ」
「私のところは継ぐ息子もいないしね」
「今度改めて常務に相談に行きます」
「そのときはよろしくお願いします」
65歳の創業社長は、後継者に苦慮しているようだった。