12000歩の昭和


今日はよく歩いた。
炎天下によく歩いた。
金町の病院にお見舞いに行く途中、
時間が空いたので、
柴又駅で下車した。
初めて京成金町線に乗った。
京成金町線高砂駅で乗り換えて、
柴又駅金町駅の二駅しかない路線だった。


柴又の駅には寅さんの銅像があった。
ああ、寅さんは銅像になってしまったんだなと思った。
銅像なんて俺のがらじゃないよ」
寅さんなら照れ隠しにそんな科白を言いそうな気がした。


帝釈天をお参りしてから参道のお店に入り、
鯉のあらいと柳川、おしんこと鰻肝ロールを食べた。
鰻肝ロールはほろ苦く昭和の哀愁の味がした。
お店におんぶ紐で赤ちゃんをおぶったお若いお母さんをお見かけした。
おんぶ紐姿に昭和のお母さんの面影を見るような気がした。
柴又は昭和が溢れていた。


帰宅して携帯の万歩計を見たら12000歩を超えていた。
12000歩の昭和の旅だった。