引く手あまた


先日、業界団体の事務局長をされていた方と久しぶりに会食をした。
ある料亭での二人きりの会食となった。
二年ほどその方には事務局長を務めて頂いた。
衛生管理のスペシャリストで、役所では技監の役職だった。
彼は年齢は60過ぎ、
小柄な色黒の方で、一見温厚そうなのだが、ときおり眼光が鋭くなる。
ゴルフの腕前は抜群だった。
的確な判断力をお持ちで、
指南役としては非常に力になる方だ。
私が業界団体の副会長時代、彼が事務局長で、
当時会長が入院療養で長期の不在の中、様々な問題を二人で処理してきた。
特に、関東甲信越の総会の準備ではお互いに苦労を共にした。


彼は二年前事務局長を退職された。
「今ここにお世話になってます」
そしてある学校法人の理事兼事務局長の名刺を頂いた。
学園の理事長から三顧の礼で事務局長に迎えられたそうだ。
「引く手あまたですね」
とお話しすると、
「いや〜」
と照れ笑いをされていた。


理事は文章の作成に卓越した才がある。
そこで叙勲祝賀会の挨拶の素案の作成をお願いした。
理事は快く承諾してくれた。
冷酒を飲みながら、
一夜を楽しく懇談することができた。