伊香保の宿


業界団体の会議で群馬県伊香保の宿に泊まった。
その宿はいかにも坂の町の伊香保らしい、
細い坂道を上がったところにあった。
日本家屋作りで、玄関に入るとほのかに青畳の香り。
足になじむ青畳廊下がやさしく迎えてくれる。
部屋には専用の露天風呂があり、
隠れ宿のようだ。
白熱した会議も終わり、
部屋に戻ってビールを一杯。
乾いた喉を潤す。
伊香保温泉は竹久夢二ゆかりの地。
傍らに、
「今宵のお酒は何にいたしましょうか
 どうぞ、お遊びください」
なんて夢二の絵から抜け出たような女性がいたらいいなとか、
ひとり空想の旅をしていた。