女友達


明日は大学時代の部活のOB会。
30年ぶりに合う友人もいる。
文化祭や合宿の思い出などが甦がえるのだが、
何故か冷蔵庫の思い出が鮮明だ。


学生時代わたしは親元を離れて下宿をしていた。
四畳半の殺風景な畳の部屋で、
電気製品はテレビもなくカセットラジオぐらいだった。
そんな下宿生活の中で、
冷蔵庫がないのが不便だなと思うようになった。
そんな話を部活の女友達にしたら、
「家の冷蔵庫買い替えるからあげるよ」
と言う話になり、
彼女の実家から冷蔵庫を頂くことになった。
彼女の家に車で冷蔵庫を取りに行った。
家に着くと、庭にゴルフの練習施設がある豪邸だった。
「ひとりぐらしなんだから栄養をとらなきゃ」
と女友達のお母さんからステーキを御馳走して頂いた。
社交的なお母さんで、しばらく話が弾んだ。
「お母さんたら話しすぎなんだから」
と女友達がぼやいていたのを思い出す。
冷蔵庫のお礼に、自由が丘のお店のオルゴールをプレゼントした。
バレリーナがクルクル廻るオルゴールだったと思う。


そんな思い出のある女友達とも30年ぶりにお会いできる。
子犬のような顔をしていたので、
「ワンちゃん」と女友達を呼んでいた。
ちなみに彼女は、
「先生」とわたしを呼んでいた。