新宿の灯


学生時代からお世話になっている、
沖縄料理のお店が3月末で閉店することになった。
このお店は親子二代で67年続いた新宿の老舗だ。
「東京に沖縄を」ということで、
お店に入ると沖縄民謡が流れ、
アットフォームな雰囲気が流れるお店だ。
女将さんは元女優さん。
小学生の頃、私も女将さんのドラマを見たことがある。


大学生の時、初めてバイト先の社員の方に連れて行って頂いた。
沖縄料理屋があまり馴染みのない時代で、
非常に印象に残った。
30年程、このお店にはお世話になった。
新宿に住んでいたこ頃は月に一度はお店に通っていたが、
5〜6年お店に顔を出さない時期もあった。
昨年からたまに顔をだすようになった。


女将さんからこの三月で閉店とのお便りを頂いて、
先日お邪魔して色々お話をした。
「45年もお店をやってきたから、もうお休みしたいのよ」
とのことだった。
「旦那様と二度目のハネムーンですか」
と話すと、
「いや〜ね」
と女将さんは笑っていた。
女将さんの旦那様も定年で、
この3月に会社を退職することになっているのだ。
女将さんはご両親からお店を継いだ二代目だ。
先代から継いだお店を閉めるのはさぞかし辛いだろう。
またひとつ新宿の老舗の灯(ともしび)が消えようとしている・・・