黒船に備えて


金融界に黒船来航が迫ってるのかな・・・
それが今朝のトップニュース、日本生命が三井生命を買収。
業界第2位の日本生命が、第8位の三井生命を買収すると、
日本生命は、業界第1位の第一生命を抜いてトップとなる。
生命保険業界では、
平成16年の明治生命安田生命の合併し、
明治安田生命が誕生して以来の大型再編となる。


日本の人口の減少に伴う顧客の減少。
次世代を担う若者の非正規化による収入減、
ガリバー生保の簡保の民営化などもある。
そうした激しい業界の動きに対応すべく、
明治安田生命など大手生保は、アメリカの中堅生保の買収を決定している。
そして今回の日本生命による国内生保の大きな再編。


あまりニュースでは報道されないが、
大手国内生保の海外生保の買収には、
国内の生保業界のTPPへの備えがあると考える。
何故、日本のマスコミはTPPの重要な課題である金融についての
これほど報道が少ないのか不思議だ。
アメリカから日本への生保の解放への圧力はかなり強い。
例えば日本郵政のかんぽ生命とアフラックの業務提携を見ても、
国策の色合いが濃い。


日本人は保険にかなりのお金を掛ける国民であるところから、
日本はマーケットとしても魅力がある。
特に医療保険の分野への進出をアメリカは、
診療報酬の自由化とセットで考えているのではないか。
つまり日本の強固な健康保険制度を緩め、割安の医療保険を売ること。


「国の健康保険が主契約とすれば生保は特約のような役割なんですよ。」


これはある中堅生保の営業所長の話で興味深かった。
アメリカはこの特約の医療保険をTPPのターゲットにするだろう。
また、アメリカより割高の日本の保険手数料に目を付けて、
価格競争を仕掛けることもあり得る。


そうした地殻変動を踏まえ、大手生保は万全の体制を取るべく、
再編を加速化させている。
大手生保はアメリカの生保を買収して来るべき黒船の備えにしている。


江戸時代から文明開化・富国強兵の明治時代に激的に変えた黒船来航。
TPPは日本にとって黒船来航になるのではないか。