2017-02-10 母やさし 俳句 野を焼いて 帰れば燈下 母やさし 高浜虚子作 早春のまだ枯草が残っている頃、 その枯草に火を付けて燃やすのが野焼き。 焼けた草は灰になり下萌を呼び覚ます。 野焼きはどこか荒らしい。 それでいて野焼きの炎を見ていると恍惚とした気持ちにもなる。 野焼きを終えて、帰ってくると燈下の母親の姿があった。 母親は燈下で縫い物でもしているのだろうか。 その母を 「母やさし」 と虚子は照れもせずに詠む。 少年が母を慈しむような高浜虚子の句。