私の好きな街、其の壱

私の好きな街は、
銀座、浅草、横浜、横須賀、鎌倉、軽井沢。
何となく、物書きが好きな街が、私は、好きなようだ。
銀座は、洗練された、大人の街。百貨店もあるが、老舗もある。
勿論、歌舞伎座もあります。
銀座のクラブには、伴奏のピアノはあるが、カラオケはない。
白いヒールのご婦人が、三越の前で、待ち合わせている。


「白靴や銀座三越獅子の前」


浅草は、義理人情に厚い街。安くて、気軽で、美味しいものが、
食べれる街。ビートたけしや欽ちゃんの心のふるさと。
今でもタケちゃん、キンちゃんと親しみを込めて呼んでいるような、
そんな温かさを、地元のおじちゃん、おばちゃんに、感じてしまう。
私が、敬愛する池波正太郎の生まれ故郷。
昔、吉原、浅草田んぼ、
粋な若衆、三社の祭り。守り本尊浅草寺
私は、熱々の煎餅を齧りながら、仲見世を歩くのが好きだ。


「堅焼きの煎餅齧り初詣」


横浜、横須賀は、東京に近くて遠い街だ。
横浜も横須賀もそれぞれの文化がある。
違う言葉で、表現すれば、「匂い」があるのだ。
米軍と自衛隊の軍港として、つねに、海の向こうの、
戦争を全身で感じている街、横須賀。
横須賀は、坂が多い街だ。
山口百恵の「横須賀ストーリー


「急な坂道駆け登ったら
今も海が見えるでしょうか
ここは、横須賀」


ふと、坂を登り、視界が開けると、そこには、海と軍港がある。
横須賀中央公園からの、景色は、絶景だ。
横浜は、早くから外国に門戸を、開いた街だ。
赤い靴の歌、「異人さんに連れられて、行っちゃた」
このフレーズが、リアルにこちらに、響いてくる街だ。
つねに、異国との、へその緒が繋がっている街である。
それゆえ、母体である異国の流行、文化を貪欲に吸収している。
独立した都市として、存在する横浜、横須賀。
横浜中華街、横須賀ドブ板道りなど、独特の匂いがある。
多国籍にして無国籍な街、ヨコハマ、ヨコスカ。



春節の横浜日本語中国語」