2001、9・11軽井沢

学生時代、何度か軽井沢に出かけた。
当時、友人の母親の、会員制のコンドミニアムに泊まり、
リッチな気分が味わえた。
中学時代、チェリッシュの「避暑地の恋」が流行していて、
軽井沢に、何となく憧れの気持ちがあった。
しかし、学生時代は、ドライブと軽井沢銀座をぶらぶら歩く、
そんな程度であり、目的のある小旅行とはいえなかった。
軽井沢の思い出で、印象的なのは、2001年9月11日だ。
私は、丁度、軽井沢に少し遅れた避暑に来ていた。
当日は、台風が甲信越地方を、直撃し、大雨と強風が吹き荒れていた。
車で、いつもお茶をする、万平ホテルに向かうと、
万平道りの、森裏橋のところで、矢ヶ崎川が決壊して、水が溢れていた。
後に引き返すこともできず、強引に車で突ききることにした。
車は、四駆ではなく、セダンだったので、車体がタイヤの上まで沈んだ。
それでも、何とか無事に難関を、突破する事ができた。
帰り道は、中村橋を渡り、軽井沢テニスコートを通り、
国道133号に出て、プリンスホテルに向かった。
軽井沢プリンスホテルに戻ると、今度は、中庭の楡の大木が、倒れてきた。
まるで、微速度撮影のように、ゆっくりと、倒れるのを目の当たりにした。
危険な状態に、自分がいることを、一瞬忘れていた。
長野新幹線も、止まってしまい、滞在が一日延びてしまった。
そして、夜になり、ますます風雨は激しくなり、
ふと、うとうとして目を覚まして、テレビを見ると、
アメリカの同時多発テロのニュースが流れていた。
旅客機が、ニューヨークの、世界貿易センタービルに激突する場面が、
衝撃的だった。
自分自身が、川の決壊、大木の倒壊の危険に晒されたことを、
心が、神隠し状態の私は、忘却していた。


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