『薫と孝治』


タイヨウのうた」が面白い。
沢尻エリカは、クールな中に、情熱を感じる女優さんだ。
まだ若いが、演技に安定感がある。
自然な感じがする。
山田孝之も、不器用な青年を好演している。
彼は、少し昔の好青年という印象だ。


孝治(山田孝之)が酔っ払いに囲まれた、薫(沢尻エリカ)を助けるところで、
昔見た、「赤い疑惑」を想いだした。
雨の中、子犬を抱いた百恵を友和が、
暴走族から守るシーンがあった。
傷だらけの友和が、雨に濡れ震える百恵の肩に、
さりげなくカーディガンを、かける場面が印象に残っている。
赤い疑惑」は、不治の病といわれた、白血病の少女幸子を山口百恵が、
演じていた。


タイヨウのうた」では、沢尻エリカが、XP(色素性乾皮症)の
少女を演じている。
孝治に恋した薫。
以前、入院していた薫は、窓越しによく見かける孝治に好意を抱き、
孝治を見ることが、楽しくなっていた。
その体験をモチーフにして、自ら作った曲を、
ストリートミュージシャンとして歌っている。
しかし、孝治は、薫が病院の窓から見つめていた、ひたむきで、優しい、
孝治ではなかった。
そんな孝治だが薫は忘れられない。
「沢山苦しんで答えを出すがいい。それが人生じゃないか。」
そう榎戸医師(山本圭)はアドバイスする。
榎戸医師は、薫のXP(色素性乾皮症)の治療医でもあるが、
人生の相談相手でもある。


孝治と薫の胸の中の「太陽」の輝き、それは歌でありギターであり、
友情である。
そして何よりも、ふたりの恋だろう。
「太陽を知らない私は、月ばかりを見てきてた」
「大切な誰かと見る月が一番きれいだということを」
初めて恋を知った薫。
一人で見る月より、大切な人と見る月が綺麗だと知る。
恋する少女の自然な感情だろう。
しかし、薫にとっての、初めての恋が、
最後の恋になるのか・・・・
薫には時間がない。
重い内容だが、どこか、薫と孝治に爽やかなものを、感じる。
これからも、楽しみな番組だ。


沢尻エリカが、映画女優ナスターシャ・キンスキーのような
小悪魔にして妖艶な、雰囲気が出てくればいいなと思う。
彼女の主演「テス」は素晴しい演技だった。
当時20歳とは思えぬ、女優の円熟味を感じた。


*百恵は譬えれば、「月下美人」のような花だったけど、
 沢尻エリカは、やはり名前通り「エリカ」の花のイメージか・・・・


*このドラマでも、竹中直人が、バイプレーヤーぶりを発揮している。


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