エロティシズム

学生時代、バタイユの著作を何冊か読んだ。
ある異様な知的興奮があった。
読んではいけない本を読んでいるようで、
発禁本を所有しているよな気がした。
仄かな悦楽を感じていたのかもしれない。
黒い背表紙の本、バタイユの「エロティシズム」
翻訳者の渋澤龍彦氏の学識と、独特の知的直感が、
よりこの本を魅力的にしていた。
ジュネもまた、何冊か読んだ。
泥棒日記」のジャン・ジュネなども、異端の作家なのかもしれない。
健全すぎる自分が嫌な若者だったのだろうか・・・
今は、健全とは知的活動には不可欠だと思っている。
やはり、ヘーゲルマルクス吉本隆明
この三人を、これからも読んでいきたい。
そして、小林秀雄林達夫もである。
私の、思考の波長と彼ら思想家の波長は合う。
男女の恋愛もインスピレーイションが大切だ。
本との出合いも恋愛に似ている。
本棚の、バタイユの「エロティシズム」渋澤龍彦訳に、
そろそろ埃が被ってるのではないか。
バタイユとは、別れたままだ。

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