紅蓮の月

Mフェア21で、柴田淳が出演していた。
途中から視たのだが、「紅蓮の月」は聴くことができた。
最後のフレーズの、
「淋しさも愛しさも 君がいたから」
が、印象に残る詞だ。
愛しさゆえに、淋しさを知る。
この歌は、
「耳を塞いでも聴こえてくる心の声に苦悶する、
 そんな女性を描いてみました」
との,彼女のモチーフから生まれたのかもしれない。
心のかさぶたを、剥がし詞を創るのか・・・
血の滲む恋の傷跡、仄かな痛みの恍惚感。
アンビバレンツな心。
柴田淳の、「片想い」を情感を込めて女性が歌うと、
月光に濡れた黒髪の匂いがする。
それは、男の幻想なのか・・・
柴田淳の歌は、ブレスがよく聞える。
丸山圭子の「どうぞこのまま」のようだ。
杏里の歌う尾崎亜美作詞の、「オリビアを聴きながら」も、
「紅蓮の月」と同じ女性らしい世界だ。
30〜40代女性の、カラオケのスタンダードになっている。
ただ、こちらは、ザックリと男性を切り捨ててるが。
「疲れ果てたあなたわたしの幻を愛したの」
この歌詞の表現に、男性は女性のエゴイズムを、
女性はムーディーな思い出に、聴こえるのかもしれない。
柴田淳は、いま少し「苦悶する愛」を
描いている。
平原綾香の「Jupiter」を作詞した吉元由美や一青窈(ひとと・よう)と、  
似た香りがある。
柴田淳中森明菜一青窈、いずれも月の歌姫だ。


バービーボーイズの杏子も、相変わらずカッコ良かった。
体を反らしたボーズが、ロッカー杏子らしかった。
女性が男性へのLOVEを、
「食べたいほど好き」とは、まさに、恋のアバンギャルドだ。
そういえば、中森明菜に「ロマンテックな夜だわ、アバンギャルドな恋だわ」
という歌詞の曲があった。


柴田淳の曲のタイトルは、漢字のタイトルが多く使われれている。
「幻」「未成年」「月光浴」等。


柴田淳の曲目を本歌取りして、俳句にしてみました。


   月光の  
   紅蓮(ぐれん)に染むる
   片思い



*吉元由美作詞、河合奈保子作曲の「ハーフムーン・セレナーデ」
 は、ロマンテックな曲だ。