絶唱

「あたしどうしても、歌いたい。」
声帯の手術をしないと命にかかわる薫(沢尻エリカ
手術を選ぶか、歌を選ぶか、
そし薫は歌を選んだ。
「後悔したくない。お父さんとお母さんにもらった人生だから。」
「私は、命より夢を選んだ。」
薫は、歌に命をかける。
「薫に力貸してくれ。」
孝治(山田孝之)は、薫への協力を仲間に頼む。


デートにスカートを穿いてきた薫。
「似合うよ、かわいい。」
孝治は薫に優しく応える。
薫は自らの命のエネルギー続く限り、夢を追い続ける。
「生まれてきて良かった。歌に出会えて、孝治に出会えて良かった。」
「俺も薫に出会えて良かった。」
薫と孝治の二人に、
マリ・マッグローとライアン・オニール共演の、
映画「ある愛の詩」の、
愛とは決して後悔しないこと
『Love means never havinng to say
 you’re sorry』
という言葉を思い出した。


激しく咳き込む薫。
「孝治、私太陽に嫌われているのかな。」
孝治の胸に抱かれて、目を閉じる薫。


タイヨウのうた」の詞のように、
孝治の心を照らす薫。
薫は孝治の太陽だ。
月の精薫は、昇天して太陽になる。
彼女の絶唱は、人々の胸に深く刻まれる。


『わたしの歌きみを照らすよ』


沢尻エリカの、月光のようなクールな表情、内に燃える夢への想い。
 山田孝之のシャイな温かいハートの青年も、好感が持てた。
 そして彼らを取り巻く、家族と仲間達の温かい思いやり。
 自然体の恋愛の姿を、薫と孝治に感じた。