髭とエロスと軍国主義

男性が強い時代は、盛んに男たちは、髭を生やす。
これぞ、男の象徴と。
子供の頃、軍服にサーベルの祖父の写真を見たことがある。
明治時代の乃木希助大将のような、立派な髭を蓄えていた。
当時は、満州事変から大東亜戦争に日本が走っていた時代。
まさしく軍国主義の時代だった。
子供の私には、髭を蓄えた祖父の印象が、髭のない祖父と、
随分違うなと、感じた記憶がある。
戦争の時代は、男尊女卑の考えが強くなる。
男は男であることを実感するために、
自らの髭を眺めたり、触ったり、入念な手入れをする。
更に人から髭を褒められることで、男はこの上ない満足に浸るのだ。


一方、髭はどこかエロティクだ。
風と共に去りぬ」のクラーク・ゲーブルの髭は、
色気を感じる髭ではないか。
あるいは、最近ではサッカーの中田英寿など。
釣りバカ日誌」の三国連太郎もなかなかだろう。
私は、シュルレアリスムの画家、ダリの髭も印象深い。
髭は、女性にはなく男性にだけあるものだ。
エロスを感じる男の髭とは・・・・
女性にとっての男性の髭は、魅力のひとつかもしれない。
ただし、似合ってればのことだろうが・・・
髭の似合う男性タレントは誰だろうか。
あるいは、今は髭は生やしてはいないが、
髭を生やしたら似合うタレントは誰か。
メガネ男子やスーツ男子が、一時流行したが、
髭男子(髭に男子という言葉はピッタリこないが)も、
流行るのだろうか。


髭に関して、男性はどこまでも、自己満足が優先するような気がする。
今の日本の男性の大方は、髭を剃る。
ただ、剃り跡を撫でて、その感触から、なんとなく
男であることを感じる。
髭とエロスと軍国主義
このトライアングルは、
どこか密接に結びついているような気がする。