シャネル

小学生の頃海外のブランドと言えば、シャネルだった。
というより、そのブランドしか知らなかった、
と言った方が正確だろう。
舶来といった言葉が、まだ死語になっていなかった。
ココ・シャネルを知ったのは、
「シャネル・ナンバーファイブ」の宣伝だった。
香水のシャネルNo5は、いまでも特別な思い入れがある。
ガブリエル・シャネルの生涯を描いた映画も観たことがある。
恋に傷つきながらも、一流のファッション・デザイナーとなる、
ガブリエル・シャネルの人生に感銘した。
中学になると、山口百恵主演の「赤い疑惑」で、
百恵の憧れの叔母岸恵子が、
ピエール・カルダンのデザイナーという役柄で、
そのドラマを通して、カルダンの存在を知った。
また、中学あたりから読み始めた、五木寛之の小説にも、
カルダン調の背広を着こなすダンディーな人物が、登場していた。


最近の私は、どちらかと言えば日本のブランド、
宮内庁御用達を愛用している。
極端に高価ではなく、それでいて老舗の信用がある。
品物も良質であり、良き保守主義が貫かれている。
タニザワの鞄など、使えば使うほど馴染んでくる。

自分にあったブランドとは、
ちょっとした自分探しの旅でもある。