共存共生

10月31日の朝日新聞に、クマ捕獲2900頭越す。
事故多発、死者3人と掲載されていた。
都会に暮らす人々にとって、クマの存在は、昨今の言葉でいえば、
想定外のことだろう。
しかし、現実には1万5千頭〜2万頭のツキノワグマの個体群が、
生息している。
また、北海道には肉食性の強いヒグマも生息している。
こうした、野生のクマと人間の共存が模索されている。
死亡事故の多くは、山菜やキノコ採りでの山に入っての事故だが、
人里での事故も少なくない。
以前、吉村昭著「熊嵐」を読み、慄然としたことがある。
この日本でこうした人食い熊の事故が、起きていたとは・・・・
「熊嵐」の事故は大正時代の出来事だが、
数年前に、北海道の札幌の近郊定山渓で、
羆による人間の食害事件が起きている。
あの、観光地の軽井沢にもクマは出没している。
さりとて、一概にツキノワグマやヒグマの凶暴性による、
事故と断定することもできまい。
自然破壊による生態系の変化も、
クマの主食の木の実などの、凶作の原因となっている。
人間という最も凶暴な動物?と実はクマ達は共存しているのかもしれない。
日本狼は、明治時代に絶滅したとされている。
文明と相容れない動物だったからだ。
文明と自然との調和。
そこには、わたしたち人間の、自然への畏れの感情がなければならない。
人間は自然を征服できない。
なぜなら、人間とても地球という生命体の一部でしかないのだから。
人間もクマも地球の生命体であることに変わることはない。