南極50年!毛利衛氷の大陸を行く


私は子供の頃、巨人軍の王貞治選手が好きだった。
大人の今、科学者の毛利衛に好感を持つ。


毛利衛王貞治、どこか自分の仕事にひたむきであり、
人格者であることが共通している。
お二人とも、子供達が憧れ尊敬できる、人物ではないだろうか。
毛利衛は、科学者でありスペースシャトルの宇宙飛行士である。
研究室に閉じこもるだけでなく、行動する科学者だ。
様々なメディアを通して、科学の啓蒙に務めている。
王貞治は、一本足打法というオリジナルの打法を駆使して、
世界のホームラン王になった。
子供は独創性のある人物、厳しい中に、優しい眼差しのある大人が好きだ。


南極の氷河を3000メートル掘削し、採掘した氷を分析すると、
地球上の様々出来事が解明できる。
特に気候変動などである。
地球の気候変動に、人類も大きく左右されている。
地球は35万年の間、温暖期と間氷河期を繰り返している。
温暖期と間氷河期では、約10度の気温の違いがある。
そうした、温暖と寒冷の中で、
アフリカのサハラ砂漠が拡大と収縮を繰り返す。
寒冷になると、砂漠は拡大し、人類はアフリカから緑を求めて、
アジア、ヨーロッパへと移動する。
こうして人類は、地球上の生息圏を拡大していく。


また、2万4000年前に厳しい間氷河期があり、
ネアンデルタール人旧人)が絶滅している。
こうした、地球上の変化や人類の歴史が、
南極の氷河の採集から解かる。
また、分厚い氷河の下に琵琶湖の20倍の湖があるとは驚いた。
南極の氷河の下に湖があるとは・・・・・


人間の適応能力にも感心した。
南極では、マイナス60度以下の厳冬期のあと、
10月〜11月の春?になると、マイナス20度後半になる。
そんな小春日和?になると、「今日は暖かいね。」
と隊員同士で話すというエピソードは面白かった。
マイナス20度以下で、日本の春一番の感覚になるとは・・・・
人間の体感が、極寒の地、南極に適応した結果だろう。


毛利衛が、
「人類の未來のためにも、こうした氷河の採集や分析が重要だ。」
と語っていたのが印象的だった。
未來志向の科学者、毛利衛らしい発言だと思った。
子供達に人気があるのは、こんな彼の未来志向にあるのかなと思う。
未來を担う子供は、未来を信じる科学者を慕うのかもしれない。