大介と鉄平

鉄平（木村拓哉）と大介（北大路欣也）との確執。
大介の父への屈折したエディプス・コンプレックスが、マグマとなる。
大介の潜在的な父への畏れとライバル心が鉄平に投影し、
息子への憎しみとなる。
三代目の鉄平に、耐えず創業者の父の影を見る、二代目の大介。
大介の鉄平への嫉妬が、息子への強烈な闘争心となる。
この華麗なる一族は、経済ドラマでもあり、
ある意味では、家族ドラマでもある。
父と兄の狭間で苦悩する次男銀平を、山本耕史が好演している。
彼の大河ドラマ「新撰組」の、土方歳三の演技も光っていた。

阪神銀行を守ること、それが大介の大儀。
創業者の、エディプス・コンプレックスの呪縛に苦しむ、二代目大介。
大介の執事であり愛人の高須相子（鈴木京香）が、ややエキセントリック。
万俵家の閨閥に、異常に執念を燃やす。
相子の執念に、万俵家の女性も翻弄される。
男の野望と、女性たちの愛憎が絡む。

止揚することなく、対立に終始する父と息子。
万俵家の崩壊の予兆が始まる。