あしたのジョー


昨日、「あしたのジョー」をBSで視る。
なぜか、心にたぎるものが沸く。


ストーリーは、ジョーが生涯のライバル力石徹と少年院で出会いの場面。
自由なる魂のジョーは、少年院を脱走を試みるも、
力石にぶちのめされ失敗する。
ジョーの野生の魂が呼び覚まされる。
無気力だった矢吹丈が、燃える血潮をたぎらせる。


この「あしたのジョー」は、少年マガジンに60年代後半〜70年代の初めに、
連載された、ボクシング漫画。
高森朝雄梶原一騎)原作、ちばてつや画。
よど号をハイジャックした当時の赤軍派が、
「われわれは明日のジョーである」と声明を出し、
力石徹が死んだとき、寺山修司が力石の葬式を出したことなど、
当時、社会的影響を与えた漫画。
巨人の星」の正統派スポ根ものとは違う、
アナーキーな、ニヒルな匂いが「あしたのジョー」にはあった。
ジョーと力石、星飛雄馬花形満とライバル関係は、
子供ながら違うなと思った。
ジョーと力石は、勝負の中で、お互いを確かめ合う。
生きる意味そのものが、ライバルにある。


生き急ぐジョーの結末は、当時の若者の時代閉塞の状況と二重写しになる。


アニメの矢吹丈あおい輝彦丹下段平を藤原重慶の、
俳優二人がアフレコをしている。
この二人の声は、登場人物のキャラクターと絶妙に合っている。
主題歌を寺山修司が作詞し、尾藤イサオが歌う。
尾藤イサオのハスキーな歌声が、ピッタリ曲にハマッテいた。
あしたのジョー」が終わった頃、
「同棲時代」という漫画が流行り、映画にもなったのを覚えている。
大志田礼子が主題歌を歌っていた。
少しハスキーな哀愁のある歌声が流行り、
世の中は、石油ショックを迎え、
高度経済成長に翳りを見せた。
一つの時代の終わりを感じた。