母娘


先日、クラブのカラオケで、ホステスさんが、
藤圭子の「京都から博多まで」を歌っていた。
30過ぎのホステスさんだが、大人の女性の声で、
情感のある歌声だった。


このカラオケでは、藤圭子本人が登場していた。
色白で、細身の体の藤圭子は、博多人形のようだ。
カラオケの画面の藤圭子を見て、ホステスさんから、
宇多田ヒカルより綺麗ね」との感想が出ていた。


藤圭子もどちらかといえば、無口であった。
宇多田ヒカルもけして、饒舌なタイプではない。
そして、どちらかといえば二人とも、不器用な印象がある。


宇多田ヒカルは、あまり母親、藤圭子のことを語らない。
一時流行った、一卵性母娘といった感じは二人にはない。
しかし、どこか二人には、母と娘、親子の情を感じる。
同じ歌手を生業として来た者として、心が通じ合っているような気がする。
母娘として、或いは同じ歌手として、
藤圭子宇多田ヒカルは、これからどんな道を歩むのか。


私は、「圭子の夢は夜ひらく」が好きだ。
そして、時々宇多田ヒカルが歌ったら、独特の曲となり、
味のある「ヒカルの夢は夜ひらく」になるのではと、思う次第だ。