1リットルの涙特別編〜追憶〜
「1リットルの涙特別編〜追憶」を視る。
実は、一昨年に放送されたときは、この番組は視ていなかった。
沢尻エリカは「タイヨウのうた」で初めて知った女優。
「1リットルの涙」の沢尻エリカは、初々しい感じがある。
彼女の演技は光る。
病院の公衆電話から、母親(薬師丸ひろ子)に電話を掛け様として、
指が不自由なために時間が係り、何度もテレフォンカードが出てきてしまう。
自分自身の無力さに、彼女は呆然とする。
娘に何かあるような予感がして、母は娘に会いに行く。
母の胸騒ぎは、的中する。
母の胸で泣き崩れる娘。
抱きしめ励ます母。
母と娘の絆を感じた。
沢尻エリカの全身で悲しみを表現する演技が、秀逸だった。
薬師丸ひろ子、陣内孝則もしっかり脇を固めている。
同級生の恋人の、錦戸亮も良い味を出している。
さりげない彼の優しさは、若い女性から好感をもたれるだろう。
雨の中佇む沢尻エリカに、そっと傘を差し掛ける錦戸亮。
先輩に別れの電話をする沢尻エリカを見守る姿が、印象的。
沢尻エリカの儚げな微笑から、弘田三枝子歌唱の「私が死んだら」
をふと想いだす。
なかにし礼作詞の歌。
『私が死んだら』
もしも私が死んだらあなた
きっと涙を流して あなた
見えなくなった 私の眼も
涙を流すでしょう
白い絹をまとい 白い花にだかれ
ひとり眠る私だけれど
誰よりもきれいと 誰よりもきれいと
あなたに言われたいの
薬師丸ひろ子は、「白虎隊」で、気丈な母親を好演していた。
「セーラー服と機関銃」の薬師丸ひろ子が、今や、高校生の母親役。
そんな感慨を、このドラマを視て新たにした。
「セーラー服と機関銃」の二代目星泉役は、長澤まさみ。
ドラマの中で流れるミュージックがストーリーとマッチしていた。
K(カン・ユンソン)の『Only Human』の美しいバラード。
レミオロメンの「粉雪」のリリカルなメロディーが、
ヒロインの沢尻エリカの切なさを、一層増していた。
「愛と死をみつめて」の吉永小百合。
「赤い疑惑」の山口百恵。
「1リットルの涙」の沢尻エリカも大女優の片鱗を見せている。