説得


先日、クラブのチーママと話したときのこと。
チーママが、ホステスさんからかなり厳しい言葉を受けたらしい。
このクラブは、所謂バツイチが多く、
サイドビジネスで夜働いている女性が多い。
30代の、子供がいるホステスさんもいる。


チーママは、頭の回転が速く、
きつい印象もあるが、言葉を慎重に選びながら人と話す女性。


当日酒も飲んでいたので、私も話の内容は、はっきりしないが、
ホステスさんの勤怠のことで注意したらしい。
ドタキャンや遅刻への注意。


確かに、店を切り盛りするチーママにとって、
ドタキャンや遅刻は本当に困ることだろう。
お客さんが多い日など、ホステスさんのドタキャンでもあれば、顔が引きつる。
楽しい一時をお客さんが過ごせれば、リピーターになるだろうし、
つまらなければ、それきりになるのがオミズの世界だ。



クラブも組織であるからには、規律は必要だ。
このホステスさんも、チーママと話し合い、
出勤のローテーションや勤務時間帯を工夫し、クラブと自分との折り合いを、
つけなければならないだろう。
感情的になるのではなく。
お店とホステスさん、お互いの利益に叶うような解決策を講じるべきではないか。


チーママとホステスさんのやりとりは、こんな会話だったのではないか。



「ドタキャンや遅刻はやめてね」
と、ホステスさんに注意をしたのだろう。
ところが、注意を受けたホステスさんは、



「子供のいない人には、わからないわよ」



と言い返したらしい。
チーママさんは独身で、お子さんもいらっしゃらない。
このホステスさんの一言が、胸を突いたらしい。
確かに、小さなお子さんを育てながらの、夜の仕事は大変だろう。
しかし、働いている以上、ドタキャンや遅刻はご法度。
正当化できる話ではない。
そして何より、惻隠の情(思いやり)のない物言いだ。
チーママは、感受性の豊かな女性だけに、心も傷ついたのではないか・・・・



私も、同じような体験があったので、チーママの気持ちがよく分かった。
男はつらいよ」の寅さんではないが、
「それを言っちゃおしまいだよ」
そんな、言葉がある。