遥くらら


NHKの時代劇に池波正太郎原作、「真田太平記」というドラマがあった。
渡瀬恒彦丹波哲郎草刈正雄などが出演していた。
私は、このドラマの中で忍びの、お江を演じていた遥くららが好きだった。
真田幸村草刈正雄)を影から支える忍びの役。
幸村への報われぬ愛を貫く姿が、健気で愛しかった。
実に、遥くららは、はまり役であった。


遥くららは、伝説の宝塚歌劇団の娘役である。
1974年、第60期生として入団している。
同期に、大浦みずき剣幸がいる。
遥くららは、始め男役であり、後に娘役に転向する。
身長166センチある、長身の娘役であった。


 宝塚時代の、鳳蘭と共演した「白夜わが愛」が印象的。
鳳蘭演じるロシア兵を愛する女性を、好演していた。
遥くららは、鳥なら朱鷺や鶴に似ている。
白い肌と長く細い首の彼女は、どこか美しい鶴のようだ。
「白夜わが愛」は、五木寛之の「朱鷺の墓」を原作にしている。
どこか、新劇のような雰囲気の舞台だった。


遥くららは、ひたむきに生きる女性を演じると、ピカイチだった。
一途に報われぬと分かってる男を愛する女性。
そういえば、梓瑛子も、どこかひたむきな女性を演じると光る女優だった。


遥くららは、結婚を機に女優を引退している。
「宝塚の稀代の娘役」と呼ばれた遥くらら
娘役で、女優として、大成したタカラジェンヌは少ない。
最近では、黒木瞳が活躍している。
遥くららは、女優を続けていたら、どんな女優になっていたろう。
遥くららは、うなじのきれいな女優だった。