怪奇大作戦


深夜、BSで『怪奇大作戦』を放送していた。
子供の頃視たことがあり、懐かしかった。
当時、かなり大人びた印象の番組だった。
それまでの、「ウルトラマン」「キャプテンウルトラ
とは趣向の違う、どちらかと言えば「ウルトラQ」にまだ近い。
文明社会の歪や、人間の奥にある闇を炙り出している。       


SRI(科学捜査隊)が、様々な事件を解決する。
SRI(科学捜査隊)の隊員には、勝呂誉岸田森、松山省二、
小橋玲子などが出演している。


小橋玲子がキュートで愛らしい。
クリクリした大きな瞳が印象的。
この番組は、グロテスクで、猟奇的な場面が多い。
そうした中で、彼女は、一服の清涼剤となっている。
小橋玲子は、ドロップの宣伝に出ていたのではないか・・・・
当時、岡崎友紀吉沢京子などと並ぶ、アイドル的存在だったようだ。
ただ、岡崎友紀吉沢京子ほど、鮮明な記憶がない。


今回は、「壁抜け男」「死神の子守唄」「氷の死刑台」などを放送。
この番組は、夜7時台の放送されていた子供向けの番組だが、
グロテスクな場面や女性を暗闇で襲うシーンなどがあり、
トラウマになった子供もいたろう。
当時、「悪魔くん」、「河童の三平」なども、おどろおどろしいかった。
かえって昔(1968〜69放送)の方が、
子供番組は、凄まじいなと思った次第だ。
今の番組は、様々な制作上の規制もあるのだろうが、
ろ過された、きれいな上澄みの番組が多い。
人間の心の闇、文明社会の歪みを扱った子供番組もあっても良いのでは。
比較的最近では、「仮面ライダー響鬼」「仮面ライダーカブト」が、
そうした視点が織り込まれて面白かった。


怪奇大作戦』では、円谷プロ得意の特撮が、よく番組に活かされている。
「壁抜け男」では、壁に人間の体がスルスルと入ってしまい、
とうとう壁の中に男は消えてしまう特撮だった。


それにしても、テレビが面白くなくなった。
怪奇大作戦」も、実験的な子供番組だった。
番組の良し悪しは別として、制作側の意欲が感じられる。
手間を省いた、番組が多くなりつつある。
制作者の情熱の感じられる番組に、期待したい。